インプラントでブリッジはできる?できない?

歯を失った場合は、入れ歯・ブリッジ・インプラントのいずれかで補うことになります。この3つの治療法は、皆さんもよくご存知かと思いますが、実は「インプラントでブリッジをする」という 4つ目の選択肢も存在しています。インプラントとブリッジは、メリット・デメリットをよく比較される治療法であり、どちらか迷われている方も多いことでしょう。
そこで今回は、インプラントでブリッジする方法の特徴やメリット・デメリット、インプラントブリッジ後の注意点などを東陽町のナオデンタルクリニックがわかりやすく解説をします。
インプラントとブリッジを併用する治療法
インプラントとブリッジは、どちらも失った歯を補う補綴装置ですが、構造や治療の手順がまったく異なることから、「インプラントでブリッジする」と言われても具体的にイメージしにくいかもしれません。確かにインプラントとブリッジを併用する治療法には、「インプラント1本でブリッジする方法」「インプラント2本でブリッジする方法」など、バリエーションも豊富なため、どのような構造になっているのか混乱しやすいです。そこでまずは実例を挙げながら順を追って丁寧に説明します。
歯を2本失った場合:インプラント1本でブリッジする
前から5番目と6番目の歯を失ったケースを想定してみましょう。従来法のブリッジなら、4番目の歯と7番目の歯を支台歯として、5と6には「ポンティック」と呼ばれる人工歯を配置します。つまり、4~7にかけてのブリッジを装着することになります。
一方、インプラントでブリッジする場合は、6に人工歯根を埋入することで、天然の支台歯は5だけになります。その結果、4~6にかけてのブリッジを装着できます。ブリッジは長くなればなるほど、耐久性も低くなることから、インプラントでブリッジする方法は装置の寿命の延伸につながります。しかも大切な天然歯を1本そのままの状態で保存できるのです。
歯を3本失った場合:インプラント2本でブリッジする
次に、前から4番目、5番目、6番目の歯を失ったケースを想定してみましょう。このケースでは、従来法のブリッジで治療することが難しくなります。上述したように、ブリッジは長くなるとたわみやすく、耐久性が低くなるので、基本的に3本以上の欠損は慎重に検討しなければならないのです。この時に4と6にインプラントを埋め込むことができれば、ポンティックが1つの安定性が高いブリッジを装着できます。本来であれば入れ歯を選択せざるを得ないケースでも、インプラント2本でブリッジすることで、審美性や機能性、耐久性に優れた装置を装着できるのです。
これらはインプラントでブリッジする一例でしかありません。その他にも患者さんの欠損状態によって、さまざまな形態のインプラントブリッジが可能となっています。インプラント1本でブリッジするか、インプラント2本でブリッジするかもケースに応じて柔軟に変えることができます。
インプラントブリッジのメリット・デメリット
インプラントでブリッジする方法のメリットは以下の通りです。
メリット1:天然歯への負担を減らせる
インプラントブリッジでは、インプラントが支台歯の役割を果たせることから、その本数に応じて、天然歯の負担も大きく減らせます。これは残った歯を削らなくて済むだけでなく、噛んだ時の力もインプラントが受け止めるため、複数の観点から天然歯への負担減少につながるといえます。
メリット2:入れ歯治療を回避できる
入れ歯は、見た目が良くない、ズレる・外れる、顎の骨が痩せるなど、たくさんの欠点を抱えた装置であり、「できれば入れ歯にしたくない」という患者さんも少なくないです。それでも失った歯の本数によっては、入れ歯治療を余儀なくされるケースもあります。そんな時にインプラントでブリッジする方法を選べば、入れ歯治療を回避できるのです。
メリット3:高い審美性と機能性
インプラントは、天然歯とほぼ同じ構造を採っており、治療後の見た目は本物の歯と見紛うほど自然で美しいです。噛む力も天然歯に近づけられます。この点は入れ歯との比較で、より実感しやすくなることでしょう。
メリット4:歯並び・噛み合わせを調整しやすい
インプラントを埋め込む位置を慎重に検討することで、欠損部の歯並び・噛み合わせを調整しやすくなります。その結果、ブリッジの安定性や耐久性、機能性を高めることにもつながります。
メリット5:費用を抑えられる(通常のインプラントとの比較)
インプラントでブリッジする方法は、通常のインプラントと比較すると、埋入する人工歯根の数が少なくなります。インプラントは1本あたり300,000~500,000円程度の費用がかかるため、それを1本減らせるだけでも経済面においてはかなりのメリットといえます。
メリット6:治療期間が短くなる(通常のインプラントとの比較)
インプラント治療は、人工歯根の埋入本数が多くなるほど、治療期間も長くなります。人工歯根の埋入本数減らせるインプラントブリッジなら、治療期間も自ずと短くなります。
インプラントでブリッジする方法のデメリットは以下の通りです。
デメリット1:適応症が限られる
インプラントでブリッジする方法は、すべての欠損症例に適応できるわけではありません。装置の構造上、通常のインプラント治療や入れ歯治療、ブリッジを選択せざるを得ない場合もあるのです。
デメリット2:清掃がしにくい
インプラントもブリッジもそれぞれ天然歯とは異なる構造を持っています。そのためインプラントブリッジは、適切な方法でケアしないと汚れがたまってしまいます。特にインプラントと歯茎の境目やポンティックの真下などは、ケア方法に工夫が必要となります。
デメリット3:装置の修理が難しい
インプラントブリッジでは、人工歯根に問題が起きた場合にブリッジごと破棄しなければならない可能性も十分にあります。また、ブリッジという形態から、人工歯のどこか一部にトラブルが起きた場合は、全体を作り直さなければならないというデメリットも伴います。
インプラントブリッジ後のメンテナンスや注意点
メンテナンスについて
インプラントブリッジは、通常のインプラントや通常のブリッジよりもケアが難しくなっています。構造も複雑になっていることから、歯科医院でのメンテナンスが極めて重要となります。定期的なメンテナンスを怠ると、装置の異常に気づくのが遅れたり、歯周組織に深刻なトラブルが発生したりするため、十分な注意が必要です。
セルフケアについて
インプラントブリッジは、セルフケアの質がとても重要となります。まずは歯科医院のブラッシング指導で正しいケア方法を学び、それを毎日のセルフケアで実践するようにしましょう。インプラントブリッジを自己流にケアしていると、磨き残しが多くなって、インプラント周囲炎を発症するリスクが高まります。インプラント周囲炎は、インプラントの寿命を縮める主な原因です。
まとめ
今回は、インプラントでブリッジする治療法について、東陽町のナオデンタルクリニックが解説しました。インプラントブリッジは、文字通りインプラント治療とブリッジ治療を組み合わせた方法で、従来法にはないメリットがあります。また、インプラントブリッジは、インプラント1本でブリッジする方法やインプラント2本でブリッジする方法など、バリエーションも豊富な点から、ご自身に合った方法を選択することが重要となります。そんなインプラントブリッジに関心のある方は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。


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- テストナオデンのインプラントブログ個別記事のタイトル テストナオデンのインプラントブログ個別記事のタイトル - 2021年10月25日