インプラント治療後のメンテナンスは何をする？
どんなものにも必ず寿命が存在します。それは失った歯を補うインプラントも例外ではありません。ただし、インプラントの場合は治療後のメンテナンスやセルフケアを定期的に行うことで、一生涯使い続けることも不可能ではなくなります。
今回はそんなインプラント治療後のメンテナンスの内容や費用、定期的な受診を怠った場合に生じるリスクについて、東陽町のナオデンタルクリニックが詳しく解説をします。
目次
インプラント治療後のメンテナンスは何をする？
インプラントはメンテナンスが重要という話はよく耳にしますが、実際に何をするのかわからないという方が多いことかと思います。そこでまずはインプラントのメンテナンスのやり方や内容を紹介します。
インプラント周囲炎のチェック
インプラントのメンテナンスでは、はじめに口腔内診査を行います。特に重要なのがインプラント周囲の歯周組織の状態で、歯茎に腫れが合ったり、顎の骨に吸収が見られたりする場合は、インプラント特有の歯周疾患である「インプラント周囲炎」を発症している可能性が高いです。
そのまま放置していると、チタン製の人工歯根と顎の骨との結合（オッセオインテグレーション）が失われてしまうために、早急に治療を開始する必要があります。ちなみに、顎の骨の状態を診る場合は、レントゲンや歯科用CTによる画像診断が必要となります。
インプラントの動揺度のチェック
インプラントのグラつきの有無を調べることもメンテナンスにおける重要な検査項目のひとつです。インプラントに不自然な動揺が見られるということは、アバットメントや人工歯根、顎の骨のいずれかに何らかの異常が認められます。
上部構造のチェック
インプラント治療では、多くのケースで上部構造にセラミックやジルコニアが使われます。これらは強度が高く、劣化も起こりにくい材料なので、正常な状態を維持しやすくはありますが、何かの拍子に欠ける可能性もゼロではありません。上部構造の欠け方、割れ方によっては新しいものに作り変えなければならないこともあるため、適切な頻度でメンテナンスを受けましょう。
噛み合わせのチェック
インプラントは、歯根から歯冠まですべてが人工物で構成された補綴装置なので、それ自体が大きく変わることはありませんが、隣の歯や周囲の骨、噛み合う歯（対合歯）は、年月の経過とともに変化します。その結果、インプラントが強く噛むようになることもあるため、噛み合わせのチェックはメンテナンスで欠かせない項目であり、適切な頻度で受けたいものです。
アバットメントの緩みのチェック
人工歯根と上部構造をつなぐアバットメントは、ドライバーで回すスクリュータイプの固定様式が一般的です。いわゆるネジは、外から圧力が加わることで徐々に緩んでいくことから、定期的にチェックをして、必要に応じて締め直さなければなりません。アバットメントの緩みを改善する場合は、上部構造を外す必要があります。
インプラントのクリーニング
インプラントのメンテナンスでは、装置のクリーニングを行います。インプラントのクリーニングのやり方は、上部構造の固定様式よって変わります。まず、セメント固定の上部構造は、インプラントから外すことができないので、外からのクリーニングがメインとなります。スクリュー固定の場合は、上部構造を外すことが可能であるため、アバットメントや人工歯根を直接クリーニングできます。こうしたインプラントのメンテナンスにおけるクリーニングのやり方の違いは、治療を受ける前に知っておいた方が良いでしょう。
ブラッシング指導
インプラントは、天然歯と比較して、歯茎との境目に汚れがたまりやすくなっています。これは上部構造とアバットメントのつなぎ目が天然の歯頚部とは異なるからです。歯と歯茎の境目付近に歯垢や歯石がたまると、インプラント周囲炎のリスクが上昇するため、適切な方法で歯磨きする必要があります。定期的なメンテナンスでは、そうしたインプラントに合ったやり方のブラッシング法を学べます。インプラントをブラッシングする頻度や時間なども口腔ケアの専門家である歯科衛生士がレクチャーします。
インプラントのメンテナンス費用の相場は？
インプラントのメンテナンスは、頻度ややり方に関わらず自費診療となります。つまり、歯科医院によってインプラントのメンテナンスにかかる費用には違いが見られるのです。
インプラントのメンテナンスの全国的な費用相場は、1回あたり5,000～10,000円程度です。4ヵ月に1回の頻度でインプラントのメンテナンスを受けた場合は、年間で20,000～40,000円程度の費用がかかることになりますが、それによってインプラントのトラブルを未然に防げたり、装置の寿命を延ばせたりするため、コストパフォーマンスは良いといえるのではないでしょうか。ちなみに、インプラントのメンテナンスは3～6ヵ月に1回の頻度で受けるのが一般的です。
インプラントのメンテナンスをしないとどうなる？
経済的負担を抑えたい、通院するのが面倒などの理由で、インプラントのメンテナンスを怠ると、以下に挙げるリスクが生じます。
【リスク1】インプラント周囲炎になる
インプラント周囲の汚れを定期的に除去しないと、歯周病菌が繁殖してインプラント周囲炎を発症します。インプラント周囲炎は、インプラントが寿命を迎える主な原因になっていることを強調しておきます。
【リスク2】装置のトラブルを見過ごしてしまう
上部構造の欠けやアバットメントの緩み、噛み合わせの異常などは、自覚しにくいものです。インプラントのメンテナンスを受けずに、装置のトラブルを見過ごすと、人工歯根が外れたり、噛み合う歯を傷めてしまったりする可能性が高まります。
【リスク3】インプラントの保証が受けられなくなる
メジャーなインプラントシステムは、多くのケースで10年保証がつきます。人工歯根を埋め込む手術を行ってから10年間は、トラブルが起こった際の再治療等を無償で受けられるというサービスです。この保証は、歯科医院が提示している条件をすべて満たす必要があり、その中には適切な頻度でメンテナンスを受けるという項目も必ず含まれています。つまり、インプラントのメンテナンスを受けていないと、その時点で保証制度を利用できなくなるため、十分な注意が必要といえます。
まとめ
今回は、インプラント治療後に必要となるメンテナンスのやり方や受診の頻度、受けなかった場合のリスクなどについて、東陽町のナオデンタルクリニックが解説しました。インプラントのメンテナンスは、通常のメンテナンスとはやり方が異なるだけでなく、装置に与える影響も大きいことから、適切な頻度で受けるのが望ましいです。一般的には3～6ヵ月に1回くらいの頻度で、インプラントのメンテナンスを受けるようにしましょう。そうすることでインプラントの寿命を延ばすことが可能となります。
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- テストナオデンのインプラントブログ個別記事のタイトル テストナオデンのインプラントブログ個別記事のタイトル - 2021年10月25日
