歯が欠けたらどうする?応急処置と4つの歯科治療について
私たちの歯は「エナメル質」という人体で最も硬い組織で覆われていますが、何かの拍子に欠けたり、割れたりすることがあります。
そんな時に忙しくて歯医者に行けない場合は、どのように対処したら良いのか?何日以内に歯医者に行くべきなのか?歯科医院での治療方法なども含めて、江東区東陽町のナオデンタルクリニックが詳しく解説します。
目次
歯が欠けたときの応急処置
欠けた部分を刺激しない
何らかの理由で歯が欠けた場合、痛い・痛くないにかかわらず、欠けた部分に触れないように気を付けましょう。歯が欠けた部分を不必要に触れると、さらに大きく欠ける可能性も出てきます。
歯が欠けた部分は普段よりも脆くなっているため、できるだけ刺激を加えないようにしてください。舌や器具などで触らないことはもちろん、歯が欠けた部分で噛んだり、刺激の強い食品を食べたりすることも控えるようにしましょう。
欠けた歯質は保存する
歯が欠けた際に、歯の破片が残っているようであれば保存するよう努めてください。歯の欠け方にもよりますが、修復に活用できる可能性もあります。歯が欠けた原因を究明する際にも役立ちますので、捨てずに保管して歯医者さんに持参するのが賢明です。
お口の中を清潔に保つ
歯が欠けた部分は傷口と同じような状態なので、お口の中を清潔に保つよう努めましょう。虫歯の発症リスクが普段よりも上がっているため、歯垢や歯石をため込むことは厳禁です。フッ素入りの歯磨きを使用したり、フッ素入りの洗口剤でこまめにうがいしたりすると、歯が欠けた部分を守りやすくなります。
できるだけ早く歯医者に行く
歯が欠けたときにできる応急処置は、ほぼ無いに等しいです。膝を擦りむいた場合は、傷口を洗い、絆創膏を貼ることで治癒へと向かっていきますが、歯という組織は例外です。歯医者さんでなければ適切な治療を施すことができませんので、痛い・痛くないにかかわらず、歯が欠けたらできるだけ早く歯科を受診するようにしてください。よく「何日以内に歯医者に行くべきか」という質問を受けることがありますが、早ければ早い方が良い、というのが答えです。
歯が欠ける3つの原因
歯は欠けた場合は主に以下の3つの原因が考えられます。
歯に強い力が加わった(外傷)
歯が欠ける原因として最も多いのが「外傷」です。転んで顔面に強打すると、歯に強い力が加わって欠けることがあります。歯ぎしり・食いしばりなどの悪習癖でも同様のメカニズムで歯が欠けます。
虫歯になっている
虫歯になると歯質が脆くなり、ちょっとした衝撃でも割れることがあります。
酸蝕症(さんしょくしょう)になっている
酸蝕症とは、スポーツドリンクを始めとした清涼飲料水を常飲することで歯が溶けていく病気です。細菌感染は伴いませんが虫歯と同様、歯が脆くなるため、普通に過ごしていても歯が欠けることがあります。
歯が欠けたときの4つの歯科治療
歯が欠けたときの治療法としては、以下の4つが挙げられます。
コンポジットレジンによる修復
小さく歯が欠けた場合は、コンポジットレジンを充填して光で固めるだけで治療できることが多いです。コンポジットレジンは歯科用プラスチックであり、強度・審美性・材料の安定性においてはセラミック・金属に劣りますが、保険が適用されるため欠けた歯を安価に治療できます。型取りも不要で受診したその日に治療が完了することも珍しくありません。
詰め物による治療
中くらいに歯が欠けた場合は、詰め物で失った歯質を回復させます。専門的には「インレー」と呼ばれる装置で、セラミック、メタル、レジンなど、さまざまな材料を選択できます。保険診療ではメタルかレジンになりますが、自由診療であれば欠けた歯質の光沢や質感、色調まで忠実に再現できるセラミックを使えます。詰め物は、コンポジットレジンによる治療とは異なり、歯の型取りが必要になります。
被せ物による治療
大きく歯が欠けた場合は、コンポジットレジンや詰め物による対応が難しいので、被せ物で治療することになります。その際、治療の大きな分かれ道となるのが「神経の保存の可否」です。
同じように歯が欠けた場合でも、神経がある部分が露出するかどうかで治療法も大きく変わってくるからです。歯が深い部分で欠けた場合は、神経を残すことが難しくなり、抜髄および根管治療が必要となります。歯が比較的浅い部分で欠けた場合は、神経を残すことができますので、被せ物を製作・装着するだけで治療を完了できます。
ただ、被せ物の治療は歯をある程度、削らなければならず、受傷時に歯の神経が汚染されていなくても、処置の過程で露出することもありますので、その点は十分にご注意ください。
抜歯+補綴治療
歯が欠けた位置や範囲が悪いと、保存的な治療が難しくなることもあります。とくに歯根が垂直的に破折した場合は、詰め物や被せ物治療などを行わずに抜歯が第一選択となりやすいです。歯の根の方まで亀裂が入ると、無菌化することが困難となるからです。
抜歯をした後は、失った歯を回復させる「補綴(ほてつ)治療」を実施します。具体的には、インプラント、ブリッジ、入れ歯のいずれかを選択して欠損部を補います。この中で唯一、インプラントだけが失った歯の歯根まで回復させることが可能です。
欠けた歯を放置するとどうなる?
歯の欠け方が軽度の場合は、何もせずに放置しても問題ないように思われがちです。見た目もそれほど悪くなっておらず、歯が痛くない場合は様子を見てみようと考える方もいると思いますが、とても危険なことなので歯科医師からおすすめすることはできません。なぜなら、歯が欠けた状態というのは、いつ虫歯になってもおかしくないからです。
歯の欠け方によっては、象牙質がむき出しとなっており、冷たいものや熱いもの、甘いものがしみるようになります。そのまま放置すると虫歯や歯髄炎などに発展しかねないため、できるだけ早期に治療を受けるようにしてください。
当然ですが欠けた歯が自然に治癒することはありません。放置することでさらなる破折を招くだけであり、かけがえのない歯質を失う一方となります。
まとめ
今回は、歯が欠けた場合の応急処置と歯科医院での治療方法について解説しました。歯が欠ける・割れる・折れることは、極めて深刻な事態なので放置することだけはやめてください。
歯が欠けた部分が痛い・痛くないにかかわらず、できるだけ早く歯医者さんに診てもらうのが一番です。忙しくて歯医者に行けないという方も何日以内に歯医者に行かなければならないというルールもありませんので、時間が取れたタイミングで歯科を受診するようにしましょう。
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- テストナオデンのインプラントブログ個別記事のタイトル テストナオデンのインプラントブログ個別記事のタイトル - 2021年10月25日