インプラント治療の1回法、2回法どちらがオススメ?
インプラント治療では、顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込む手術を伴います。この手術には「1回法」と「2回法」の2種類があるのをご存知でしょうか?インプラント治療の1回法と2回法は、文字通り手術の回数による分類ですが、施術に伴うメリット・デメリットも異なる点に注意が必要です。
そこで今回は、インプラントで人工歯根を埋入する手術を1回法と2回法の違いとどちらがオススメなのかを東陽町のナオデンタルクリニックがわかりやすく解説をします。
目次
インプラント治療の1回法、2回法とは
はじめに、インプラント治療の1回法と2回法の違いをかんたんにご説明します。
【1回法】手術を1回行う治療法
インプラントの1回法で行う手術の回数は「1回」です。歯茎をメスで切開し、顎の骨に人工歯根であるインプラント体を埋め込んだ状態で、ヒーリングアバットメントと呼ばれるキャップを装着します。そのため手術が終わった時点では、口腔内にアバットメントが露出した状態となります。その後、人工歯根と顎の骨が結合したら、人工歯に当たる上部構造を装着します。
【2回法】手術を2回行う治療法
インプラントの2回法では、1回目の手術で人工歯根の埋入だけを行います。メスで切開した歯茎は糸で縫合するため、手術後は何も露出していません。その状態で数ヵ月待ち、人工歯根と顎の骨の結合が確認できたら、アバットメントを装着するための2回目の手術を行います。2次手術では、歯茎を再びメスで切開して人工歯根が見える状態にして、アバットメントを取り付けます。その後は上部構造を装着して治療が完了します。
1回法、2回法それぞれのメリット・デメリット
インプラントの1回法と2回法には、それぞれ次のようなメリットとデメリットを伴います。
【1回法のメリット】
患者さんの心身にかかる負担を抑えられる
インプラント手術は、比較的軽い外科処置に分類されますが、それでも患者さんにとっては心身にかかる負担が大きくなります。それを2回ではなく1回で済ませられる点は、患者さんにとって大きなメリットとなることは間違いありません。
治療費を安くできる
インプラント手術を1回で済ませる場合と2回行う場合とでは、単純にコストの面で違いが見られます。当然ですが1回法の方が治療にかかる費用を安く抑えらえるのです。
治療期間を短くできる
歯茎をメスで切開するなどの外科処置を1回で済ませられる1回法は、2回法よりも治療期間が短くなることが多いです。それは傷が治るのを待つ時間が短くなると同時に、インプラント治療全体のスケジュールも2回法より短くなるからです。
すぐに仮歯を入れられる
これはケースによって対応が変わってくるのですが、1回法では手術した後すぐに仮歯を入れることも可能です。それによって審美面を速やかに回復できるというメリットが得られます。
【1回法のデメリット】
術後の感染リスクが高い
1回法では、アバットメントが口腔内に露出した状態で数ヵ月過ごすため、術後の感染リスクが高くなります。口腔ケアをしっかり行わないと傷口に感染が起こってインプラント治療そのものが失敗に終わってしまうため十分な注意が必要です。
適応できる症例は一部に限られる
インプラントの1回法は、手術の流れがシンプルで、患者さんが得られるメリットも多いのですが、適応症は一部に限られます。人工歯根を埋め込む部位の骨がしっかりとしていて、全身状態も健康でなければ適応が難しいです。
【2回法のメリット】
術後の感染リスクが低い
2回法では、1回目の手術で傷口をしっかりと縫合するため、術後の感染リスクが低くなります。
インプラントが定着しやすい
人工歯根の埋入とアバットメントの装着を2回の手術に分けることで、インプラントを定着させやすくなります。
適応できる症例が広い
2回法は、インプラント手術を2回に分けて慎重に進めていく治療法なので、適応範囲も1回法より広いです。そのため現状のインプラント治療では、1回法ではなく2回法が主流となっています。
【2回法のデメリット】
手術を2回受けなければならない
外科手術を2回受けることは、患者さんの心身にかかる負担も自ずと大きくなります。
費用が高く、治療期間は長くなる
インプラントの2回法は、1回法と比較すると費用が高く、治療期間は長くなる傾向にあります。
1回法と2回法どちらがオススメ?
ここまでインプラント治療の1回法・2回法の特徴およびメリット・デメリットを解説してきましたが、どちらかが絶対的に優れているわけではないことをご理解いただけたかと思います。その上でインプラントの1回法と2回法のどちらがオススメ?と聞かれた場合は、次のようにお答えできます。
1回法がオススメな人
施術部位の顎骨がしっかりとしていて、全身の健康状態も良好な人には、1回法をオススメすることができます。インプラントの1回法は、心身への負担の軽減、治療期間の短縮、治療費の抑制など、たくさんのメリットが得られることから、精密検査の結果を踏まえて適応が可能と診断された場合は、1回法を選んでも良いといえます。
ただし、インプラントの1回法は術後の感染リスクが高く、手術の難易度もやや高くなることから、知識や経験が豊富な歯科医師に治療を任せることが前提となります。
2回法がオススメな人
現在のインプラント治療では2回法が主流となっており、1回法をオススメするケースの方が少ないといえます。ですから、特別な理由で1回法を希望される方や顎と全身の健康状態が良好な方以外は、基本的に2回法をご提案することになります。また、インプラント手術に伴う感染リスクをできるだけ下げたい、人工歯根を慎重に定着させたい、という方にも2回法がオススメといえます。
まとめ
今回は、インプラント治療の1回法と2回法の違いやメリット・デメリット、それぞれどのような人にオススメなのかを東陽町のナオデンタルクリニックが解説しました。一見すると1回法にはメリットしかないように思えますが、実際はそうではなく、いくつかのデメリットも伴います。2回法が主流となっている現状を見てもわかるように、一概に1回法が優れているとは言い難いのです。
とはいえ、顎や体の健康状態が良い症例なら、1回法を選択した方がメリットを最大化しやすくなりますので、まずはお気軽に当院までご相談ください。あなたにとって最善といえるインプラントの手術法をご提案します。
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- テストナオデンのインプラントブログ個別記事のタイトル テストナオデンのインプラントブログ個別記事のタイトル - 2021年10月25日