歯がなくてもインプラントはできますか？
東陽町のナオデンタルクリニックでは、「歯がなくてもインプラントはできますか？」という質問を受けることがあります。インプラントは近年、人気が高まっている治療法で、治療の内容や適応の範囲、費用などを詳しく知りたいという方が多くなっています。歯がなくてもインプラントできるかどうか、歯がない状態を放置するリスク、すべての歯をインプラントにした場合の費用について、わかりやすく解説します。
目次
歯がなくてもインプラントはできますか？
結論からいうと、歯が1本もなくてもインプラントすることは可能です。インプラントは歯がないところにチタン製の人工歯根を埋入して土台とし、その上に人工歯（上部構造）を被せる治療法なので、歯が無くてもインプラントはできます。
もちろん、すべての歯がない無歯顎（むしがく）の症例は、その分だけ埋入する人工歯根の数が増えたり、手術の難易度も高くなったりしますが、インプラントを適応できなくなるということはありません。治療を担当する歯科医師に適切な知識と技術があり、正確な検査・診断・手術を行える診療環境が整っていれば、すべての歯をインプラントで補うことは可能なのです。
歯がない場合のインプラント治療の選択肢
歯が1本もない、あるいは歯が1本だけあるようなケースには、3つのインプラント治療の選択肢が存在しています。それは標準的なインプラント治療、オールオン4、インプラントオーバーデンチャーの3種類です。
・標準的なインプラント治療
失った歯1本に対して1本の人工歯根を埋め込む方法です。歯が1本もない、あるいは歯が1本だけある場合は、かなりの本数の人工歯根を埋め込まなければならず、費用も相応に高くなります。患者さんの心身にかかる負担も大きくなると同時に、インプラント手術の難易度も高くなる点に注意が必要です。
・オールオン4
歯が1本もない状態に4本の人工歯根を埋め込んで、総入れ歯の形をした上部構造を固定する治療法です。4本の人工歯根ですべての人工歯を支えることから、このような名前がつけられています。標準的なインプラント治療と比較すると、埋入する人工歯根の数が少ない、費用が比較的安くなる、手術した当日から噛めるようになる、審美性に優れている、通院回数が少なく治療期間も短いなどのメリットがあります。そのため歯がない状態でインプラント治療を検討中の方は、基本的にオールオン4を優先的に考えた方が良いといえます。
・インプラントオーバーデンチャー
残存歯や人工歯根で、総入れ歯の形をした上部構造を支える治療法です。それだけを聞くと、オールオン4と何ら変わりがないように思えますが、装着様式に大きな違いが見られます。オールオン4は固定式の装置で、患者さんが自由に取り外すことができません。それは標準的なインプラント治療と同じです。一方、インプラントオーバーデンチャーは着脱式の装置で、患者さんが自由に取り外せます。その感覚は、標準的な入れ歯治療に近いといえます。また、インプラントオーバーデンチャーの場合は、1本だけ天然歯が残っている場合でもそれを活かした形で補綴治療を進められます。
歯がない状態を放置するリスク
「歯がなくてもインプラントはできますか」という疑問を持っている方は、おそらく歯がない状態を何もせず放置するという選択肢も考えているかと思います。歯が1本もない、あるいは1本だけある状態を補綴するとなると、それなりの費用がかかるため、できれば治療は避けたいと思う気持ちもよく理解できます。ただ、歯がない状態を放置すると、以下に挙げるリスクを伴うことから、できるだけ早く治療を始めた方が良いといえます。
【リスク1】食べ物が噛めなくなる
歯がない状態では、食べ物を噛むことができません。極端にやわらかい食べ物なら舌と口蓋を上手く使ってすり潰すことはできますが、普通の食べ物はそしゃくせずに飲み込むことになります。その結果、唾液の分泌量が低下する、口腔周囲筋が衰える、顎の骨が痩せるといったネガティブな変化が進んで行きます。消化器である胃腸にも大きな負担がかかり、全身の健康状態にも悪影響が及んでいくことでしょう。
【リスク2】見た目が悪くなる
無歯顎の患者さんの口元には、たくさんのシワが寄ります。本来は上下の歯が存在していて、噛み合わせも適切な高さに保たれているのですが、歯がない状態だと必然的に噛み合わせが深くなり、口角にシワが寄ってしまうのです。また、顎の骨が痩せることで頬がこける、顎がたるむなどの変化が現れることで、いわゆる老け顔になっていくのです。そのことがコンプレックスになって人と関わるのが嫌になったり、外に出るのが億劫になったりする方も少なくありません。
【リスク3】認知症のリスクが高くなる
食事をする時には、視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚という五感をフルに使うことになります。これは脳に対してとても良い刺激が加わる行為であり、健全な認知機能を維持する上でも極めて大きな役割を果たしているといえるでしょう。実際、多くの歯を失って噛むことができなくなった人は、そうではない人と比べると認知症のリスクが顕著に高まることがわかっています。顎の骨に人工歯根を埋め込むインプラント治療なら、天然歯のようにしっかり噛むことができるため、認知症リスクも抑えられることでしょう。
すべてインプラントにした場合の費用
歯が1本もない、あるいは1本だけある状態をすべてインプラントで補った場合、どのくらいの費用がかかるのか気になることでしょう。これはインプラント1本あたりの全国な費用相場を想定することで、単純な計算ができます。
費用のシミュレーション
まず、インプラントは1本あたり30～50万円円程度で治療している歯科医院が大半を占めます。歯が1本もない状態を片顎あたり10本の人工歯根で補うと仮定すると、両顎で600～1,000万円程度の費用がかかります。費用があまりにも高額なので、驚かれた方も多いことでしょう。これを上段で解説した「オールオン4」で治療した場合は、片顎あたり300万円程度、両顎600万円程度の費用に抑えられます。歯が1本もない症例の治療費というのは、標準的なインプラント治療とオールオン4でこれだけ大きな違いが見られるのです。
まとめ
今回は、「歯がなくてもインプラントはできますか？」という疑問にお答えする形で、インプラント治療を解説しました。歯が1本もない状態や1本だけある状態では、標準的なインプラント治療やオールオン4といった選択肢があり、それぞれ特徴や治療期間、費用が変わります。いずれにしても歯がなくてもインプラントはできますので、無歯顎の補綴治療でお悩みの方は、いつでもお気軽に東陽町のナオデンタルクリニックまでご相談ください。当院は、さまざまなインプラント治療に対応できる東陽町の歯医者さんです。
最新記事 by 高峰 直努 院長 (全て見る)
- テストナオデンのインプラントブログ個別記事のタイトル テストナオデンのインプラントブログ個別記事のタイトル - 2021年10月25日
